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『BLEACH』ネタバレ感想 実写版の驚異的な原作再現度にあっぱれ!

 

高い話題性で読者を多方面から楽しませてくれた漫画作品『BLEACH/ブリーチ』。

魅力的なキャラクターとスタイリッシュな雰囲気で日本のみならず海外でも人気が高い作品が遂に実写映画化されました。

 

近年漫画の実写化が多数制作されており、そのどれもが前評判段階では酷評を受ける有様。しかし、フタを開けてみると傑作だったという声も多く興行的に成功した作品も多い。近年では『るろうに剣心』や『帝一の國』が成功例として挙げられると思います。

 

実写版『ブリーチ』も前評判では酷評を受けていました。半ば勢いで鑑賞したところこれが凄まじい作品になっていて敬服!

前評判を一蹴する驚愕の原作再現度を見せつけてくれました!漫画実写版に新たな決定版が生まれたのです!

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作品紹介・あらすじ

2016年に惜しまれつつも連載を終了した週刊少年ジャンプの人気作品『BLEACH/ブリーチ』の実写化作品。 

 

幽霊が見える体質の高校生『黒崎一護』が虚(ホロウ)を倒す死神『朽木ルキア』と出会い、死神としての力を分け与えられてしまう。

死神となった一護はルキアに力を返すために修行を開始。しかし、死神の力を分け与えるのは死神の世界『尸魂界(ソウルソサエティ)』では重罪だった。

 

彼女を罰するために尸魂界からルキアの兄白哉と阿散井恋次が現れる。

一護はルキアを助けるために白哉たちと虚グランドフィッシャーの討伐を決意する…。

 

監督は『アイアムアヒーロー』、『GANTZ』の佐藤信介。

主演は福士蒼汰、共演に杉咲花、吉沢亮、江口洋介など。

製作幹事はワーナーブラザーズジャパンが務めています。

 

驚愕驚異の再現度!これは間違いなく実写版の決定版!

まず驚いたのはキャラクターの再現度。

主演の福士蒼汰がしっかりと黒崎一護を演じていました。不良っぽい雰囲気ながらも熱血漢があり芯の通った一護らしさにあふれていて、モノマネでもコスプレでもありませんでした。

 

吉沢亮の石田雨竜も原作のような全てを悟ったかのようなクールさにあふれており、見た目も原作に限りなく似ていて素晴らしい。

 

チャドは見た目、言動が完全にチャドだったので彼が映るとなぜか笑ってしまいそうでした。出番はさほどないものの強烈なインパクトを持っています。さすがチャド。

 

キャラクターの再現度はかなり高く、阿散井恋次もアクションの動き、見た目に至るまで恋次をきちんと演じていたので早乙女太一の演技力の高さに驚かされました。

これほど原作のキャラクターを上手く再現した実写版は中々見られないでしょう。

 

ただ朽木ルキアがクールを少し失っているように思えたのが残念。しかし、ルキアを演じた杉咲花の殺陣はキレが凄まじく若手女優とは思えないほどの軽やかに動いていました。これは凄まじかった。

 

物語は原作の死神代行篇までを実写化。

2時間に満たない108分の短さに落とし込むために原作を上手く再構成していると感じました。

ルキアとの出会い、そして学校でのひと悶着、母を殺めた虚グランドフィッシャーと恋次との戦い。原作の膨大な情報量を上手く取捨選択しており、物語はテンポよく進んでくれます。

 

原作初期の魅力であるギャグ要素も盛り込まれており、人間関係も分かりやすく描かれていて情報過多にも不足にもならない絶妙さを見せてくれます。

 

原作7巻ぐらいまでを上手くまとめ上げているので疑問に思う部分も少なく、かなり小奇麗に仕上がっていて原作を尊重していることが伝わってきました。

 

ただ一部の用語が説明不足と感じる点もありましたが短い時間に落とし込むには説明不足も仕方がなかったのでしょう。

これ以上長くなると蛇足感が出てきてしまい、日本映画にありがちな説明セリフだらけになり駄作の烙印を押されたことでしょう。

 

そして、見所は「アクション」と「映像」です。

映像はCGにチープさも無く邦画屈指の出来栄え。虚や死神が見える人と見えない人の対比もうまく表現しています。

 

真昼間に暴れる虚も街並みに違和感なく溶け込んでおり、強大さと恐怖感を存分に示してくれています。

虚に破壊される街の映像はディザスター映画さながらの迫力。こんな映像を日本でも見られるようになったのかと興奮してしまいました。

 

映像は本当に凄い出来です。VFXでは『GANTZ:O』のデジタル・フロンティアや『シン・ゴジラ』の白組が参加しているのでハイクオリティになるのも当然。

違和感のない大迫力の映像が物語の説得力を強めています。

 

アクションは実写版『るろうに剣心』に比肩する出来栄え。

現実的な殺陣アクションだったるろ剣と違い、ブリーチでは大ジャンプしたり大きく吹っ飛ばされてしまう描写が出てきますがそれらを戦いの一連の流れに上手く落とし込んでいて違和感がありません。

 

特に一護対恋次の戦いはキレが凄まじく、瞬きが出来ないほどの疾走感にあふれていました。

福士蒼汰も早乙女太一もこれほど動けるのか、ただのイケメン俳優なんかじゃないと理解させられます。

 

とてつもない完成度。原作を見事に再現しており、エンターテインメントとして隙のない作品になっています。

 

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それでも不満はある

しかし。虚との戦いはそれほど長くないのが不満でした。

これは日本映画では技術的に生身の人間とCGで描かれたクリーチャーとの戦いを描くことが困難ということでしょうか。

 

せっかくブリーチを実写化したのですから虚との戦いをもっと見たかった。

思ったより虚の出番が短いのが非常に残念でした。

 

ラストの白哉対一護の戦いは結構間延びしていて退屈。もう少しさっぱりと終わらせることが出来たように感じてしまいました。ここまではかなり出来が良かったのに唐突に勢いをそいでくるので残念でした。

 

続編に期待!

実写版ブリーチは続編ありきの作りにもなっておらず、きちんと一本の映画として上手くまとめ上げていました。

 

映像、アクション、原作再現度において邦画屈指と言うべき出来栄え。

是非とも続編が見たいと思わせてくれました。

 

それほど完成度の高い良い映画です!