『未来のミライ』ネタバレ感想 全く共感できないよコレ・・・
『バケモノの子』に続く3年ぶりの新作『未来のミライ』が公開されました。
夏の風物詩となった細田守監督最新作。前作『バケモノの子』がいまいちノレなかったので今回はどのような物を見せてくれるのか不安を抱きつつ鑑賞しました。
やはり、今回もノレなかった…。というか共感できないことが多すぎる…。
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作品紹介・あらすじ
甘えん坊の男の子『くんちゃん』に妹がやってくる。妹は『未来』と名付けられる。
今まで両親の愛情を一身に受けてきたのに、両親は妹にかかりっきりとなりくんちゃんは嫉妬してしまう。
そんなくんちゃんの元に不思議な出来事がたくさん起き始める。
監督はヒットメーカーの細田守。原作、脚本も担当。
声優陣に初挑戦となる上白石萌歌、星野源、麻生久美子や福山雅治が参加。
主題歌は山下達郎。
共感できる要素が見当たらない…
今回もノレませんでした…。全く共感が出来ずに非常に困る…。
物語はオムニバス的。妹がやってきたくんちゃんがどうにかして両親の気をひこうをとするもののことごとく失敗してしまう。庭に出ると不思議な事が起きてしまう。飼い犬のゆっこが人間の姿になっている、成長した妹の未来が現れる、曾祖父の若い時代へと飛ばされてしまう。
そんな不思議な現象が何の説明もなく発生します。
唐突の連続なんですよね。説明なしに不可思議なことが起きるのはどこか静謐とした文学的ファンタズムを感じさせます。しかし、それを繰り返すばかりなので起承転結らしい締まりが一切なく、物語の波がどこにあるのかイマイチつかめませんでした。
そして、物語の中核を担う肝心の家族像が最も共感できなかった。
横浜に一軒家と自家用車を持ち、自宅で仕事が出来る夫と飼い犬がいる家族。それが普通の家族のように描かれているのも引っかかりました。
子どもを持つ親の大変さと子どもの奔放さを描きたかったのでしょうが、家族の生活様式が一般よりも上流のように見えてしまい、今の時代からするとかなり浮世離れしているように見えてしまい、物語の真実味をかなり削いでいるように感じました。
おかげで今の時代の普遍的な家族像ってどういうものなのかと考えてしまい物語に集中できなくなる始末です…。
本作のテーマは『家族』と『自分とは何か』なのですが、家族も共感できない理想像のようなものを見せつけられ、後者のテーマも終盤で唐突に盛り込まれたような印象を受けてしまい、全体的にまとまりがない。
結局終始ノレずじまい。親の気を惹こうとするくんちゃんの行動も理解できるのですが、やりすぎに感じる描写も多く不快感すら抱いてしまう始末。
細田監督は浮世離れしてる?
細田監督はこれまでも家族をテーマにしてきました。
『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』、それらすべてで家族を描いてきました。
しかし、どの作品も細田監督の理想のようなものが投影されており、普遍的な家族像とはかけ離れたものでした。
本作は一見すると普通の家族に見えますが生活様式が中の上なので、現代社会においては共感を得ること難しいように感じます。
やはり細田監督は浮世離れしているのではないかという予感が確固たるものになりそうです…。
今後、細田監督はどんな作品を生み出してくるのでしょうか。
もっと普遍的な家族を描いてほしいです…。