『アントマン&ワスプ』ネタバレ感想 前作から揺るがない家族の物語
インフィニティ・ウォーの衝撃が冷めやらぬまま公開された『アントマン&ワスプ』
インフィニティ・ウォーのような壮大荘厳さはなく、他のマーベルヒーローとは大きく異なった作品になっていました。
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作品紹介・あらすじ
マーベル・シネマティックユニバースに属する作品。MCUシリーズ20作品目でアントマンシリーズ第2作。
物語はシビル・ウォー/キャプテンアメリカで逮捕されたスコットラング(アントマン)の自宅謹慎終了間近を描く。
主演は前作に引き続きポール・ラッド。監督も引き続きペイトン・リード。
感想 一貫して描かれる家族の物語
アントマンが他のマーベルヒーローと大きく異なるのは前科持ちと子持ちの二転でしょう。
『アントマン&ワスプ』ではシビル・ウォー/キャプテンアメリカ後に2年間の自宅謹慎処分を受けたスコット・ラング(アントマン)が娘と遊んでいる場面から始まります。
既に他のヒーローとは異なったファミリーの雰囲気を醸し出しています。
前作も娘を守るために奮闘する父の姿が描かれていましたが、今作では親子愛というものをより深く掘り下げています。
ハンク・ピムの妻でホープ(ワスプ)の母ジャネットを量子世界から救出しようとしていると、ピム博士のラボを狙う謎のゴーストの二つの物語が交錯します。
本作ではホープたちの家族の思いに焦点を当て、彼女たちを救うべくスコットが奮闘します。
スコットにとってホープは重要なパートーナーであり親の存在が子どもにとってどれほど重要なのかを理解しているのです。
そんな彼が彼女たちの希望となり、実際にジャネットを救うために奮闘する姿には自然と涙が流れてきてしまいます。
アントマンは一貫して家族の物語を描いているんですよね。
前作がスコットと娘の物語で、本作はピム博士、ホープと母ジャネットの物語。
スコットは添え物ではなく、家族の大切さを説く重要な語り手。説教がましく家族について語る場面はありませんが、娘や元妻と触れ合いを見せることで柔らかに家族を語っているんですよね。
前作からの積み重ねで家族の大切さが嫌と言うほどに伝わってくる巧みな演出がなされているんです。
家族というものは希望そのものであり、母を救える可能性を示したスコットは文字通り希望の象徴。
つまりスコットもホープたちにとって家族のような存在へ近づいていることを示しているのではと考えます。
マーベルヒーローは家族に対して不幸な経験を持つものが多い。
アイアンマンことトニー・スタークは若くして両親を失い、ソーは弟のロキが実は異民族、スターロードは父親が母を死に至らしめた黒幕。
家族にそれほど良い印象を持つものがいないのです。
しかし、アントマンは家族を大切で掛け替えのないものと描いており他のヒーローたちとは大きく異なる普遍的メッセージを盛り込んでいます。
『アントマン&ワスプ』は他のマーベルヒーローとは違い本当に小さな世界を描いています。
世界が危機に陥るわけでも宇宙人が出てくることもありません。
家族の物語に終始することで物語は非常に小さな世界となり、インフィニティ・ウォーなどとの差は激しく戸惑いを覚えるほどです。
ですが家族というテーマは非常にこじんまりとしていますが普遍的で全世界の人々へと繋がる壮大なテーマなのです。
量子世界を描くなど、これまでMCUが目指してきた宇宙とは全く別の世界を描くことで視覚的新鮮さを与えることにも成功し、家族のお話をより大規模なテーマへ発展させることに成功しています。
前作から一貫してブレることのない家族の物語。
スコットに憑りついたジャネットを演じるポール・ラッドの演技力が凄まじく、本当に情勢にしか見えなくなったほど。
演技力の高さにも注目してほしい。それが『アントマン&ワスプ』です。
マーベルはどこへ向かうのか?アベンジャーズ4への期待、そして悲しみ
予想外の結末で全世界に衝撃を与えた『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
日本でもその反響は凄まじくヒット作となりました。
あまりにも凄すぎる作品だったことを覚えています。誰も予想できなかった内容、そして結末に動揺するしかありませんでした。
その時の衝撃はここに記しています。
2008年『アイアンマン』から始まった映画史上類を見ない壮大なプロジェクト『マーベルシネマティックユニバース(MCU)』も遂に一つの終わりを迎えるようです。
2019年の『アベンジャーズ4』で終わりがやってくる…。日増しに肥大化する期待と、そして悲しみついて記していきます。
インフィニティ・ウォーのネタバレを含みます。
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インフィニティ・ウォーの衝撃と期待
MCUはヒーロー映画。様々なメッセージを訴えてきたものの、やはりヒーロー映画。
だからこそ、ヒーローが傷つこうとも最終的に悪を倒す。
インフィニティ・ウォーも紆余曲折はあるが悪を倒すだろう。誰もがそう考えていたはずです。
しかし、実際には悪の映画でした。
主人公はまさかの悪役サノス。サノスが野望を成就させてしまうというヒーロー映画としては禁忌と呼ぶしかない結末。
これをどう呑みこめばいいのか。さっぱりわかりません。
ヒーロー映画なのに悪役が野望をかなえてしまった。そしてその悪役はどこか憎めない。どういう訳か好きになってしまう。そんな不可思議な魅力を持つサノスをどう受け止めればいいのか。
動揺なのか、それとも別の物なのか。押し寄せる感情が自分でも全く理解できず呆然とするしかありませんでした。
そしてアベンジャーズ4が2019年に訪れるのです。
衝撃を超えた衝撃のインフィニティ・ウォー。それを超えることが出来るのでしょうか。
噂ではタイムトラベル要素が加わるなどと言われています。サノスが再び現れることは確定しています。
予想を軽く超える出来を見せてくるのがMCU。
ですがインフィニティ・ウォーの衝撃はあまりのも強烈でした。それを超えることが出来るのか?
遥かなインパクトを与えることが出来るのか?
日々期待が増していきます。同時に不安が増しているのも事実です。
インフィニティ・ウォーを超えてくれ、アベンジャーズ4。
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終わりの悲しみ
映画史に名を刻む壮大なプロジェクトMCU。2008年『アイアンマン』から始まったシリーズが一つの終わりを迎えるようです。
始まりには終わりがあります。物事の常です。終わりのないものなんか存在しません。
永遠に続くと思っていたMCUが終わる。その事実を受け入れることは結構難しいのです。
この10年で作品数は20を超えており、これはスターウォーズを超える本数。007シリーズやゴジラシリーズに比肩するほどです。
スターウォーズも007も歴史は半世紀ほどあります。しかし、MCUはまだ10年。
10年でそれほどの本数を公開しているのですから、はるか昔からシリーズが作られていたと錯覚しても仕方がないでしょう。
これほどの数を作っていながら駄作と呼べる作品がほぼないというのも驚きです。
そんな映画シリーズの金字塔が終わる。
この悲しみたるや筆舌に尽くしがたいほどです。
まだまだ続くだろう。甘く考えていたらインフィニティ・ウォーでメンバーの殆どが消え去ってしまう衝撃に出くわし、そして今度はシリーズの終わりを迎えるという二重苦。
あまりにも悲しい。
アイアンマン役のロバートダウニーJr、キャプテンアメリカ役のクリス・エヴァンスなど主要キャストの契約がアベンジャーズ4で切れることも判明しており、本当に終わりが来るのだと実感させられています。
インフィニティ・ウォーの衝撃から中々立ち上がれずにいるのに、終わりが来ると宣告されるなんて…。
どうすればこの悲しみから脱却できるのか。本当にどうすればいいのか…。
マーベルの描くヒーローの未来とは?
『アイアンマン』から始まり、キャプテンアメリカやソーなどのマーベルヒーローがクロスオーバーする壮大なプロジェクト、それがMCUです。
2012年『アベンジャーズ(第一作)』でヒーローたちの嘘偽りなき”かっこよさ”を見せつけ世界中の人々を虜にしました。
アベンジャーズまでのフェイズ1は社会的メッセージ性も確かにありましたが、ヒーローとは”かっこいい”ものと伝えている。そんな王道メッセージが強かったのがフェイズ1の印象です。
しかし、ストーリーはヒーローのかっこよさを描くのではなく徐々に『ヒーローの存在意義』や『ヒーロー個人の内面』へとシフトしていきました。
『キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャーズ』では組織内紛という形でヒーローのあるべき姿を描き、『エイジ・オブ・ウルトロン』では本格的にヒーローの存在意義を問い”アベンジャーズの解散”にまで言及。
『シビル・ウォー/キャプテンアメリカ』では遂にヒーロー同士の分裂まで描かれました。
アベンジャーズというヒーローが分裂したままサノスという強敵との戦いを強いられてしまうヒーローたち。敗北してしまうのも無理はないでしょう。
マーベルはヒーローの存在そのものを問いかけているのです。
果たしてヒーローは必要なのか。ヒーローの成すべきことは何か。
ヒーロー映画でありながら、ヒロイックさを描くことを放棄したのがMCUです。
ストーリーはより壮大になっていますが、ヒーロー個人の内面も描いています。
アイアンマンでトニー・スタークが自社の兵器が罪なき人々を苦しめていることを知り、軍需産業から手を引く、キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャーズでは自分を殺しに来たかつての友を助けてしまうといった、ある意味では周りの事を考えない個人の言動を描いています。
つまりヒーローではなく人なのです。
マーベルはヒーローであっても一人の人間(生命)であることを徹底して描いているのです。
だからこそ、友のために仲間を裏切ることになる、世界のためにチームを解散させようとする。
ヒーローとは何か。
マーベルは娯楽映画で私たちに問いかけているのです。
インフィニティ・ウォーでサノスがしたように、マーベルはガントレットを揃えてヒーローを本当に消そうとしているのかもしれません。
インフィニティ・ウォーで悪を描いたのですから、いつの日かヒーローがいないヒーロー映画を作るかもしれません。
だからこそ、予想ができません。マーベルの描く未来は全く想像できないというのが率直な考えです。
何をしでかすか分からないまるでサノスのような存在。それがマーベルなのかもしれません。
最後に
インフィニティ・ウォーを超えるかもしれないアベンジャーズ4への期待。そして終わりがやってくる悲しみ。
それらが入り混じり、言葉にならない感情が渦巻いています。
そして、マーベルが描くヒーローの未来も全く分かりません。
終わりとは果たしてどのようなものなのか。マーベルは一体何を描こうとしているのか。
見守るしかありません。
【Netflix】『紅き大魚の伝説』ネタバレ感想 中国アニメが結構凄い
中国アニメ映画『紅き大魚の伝説』がようやく日本上陸。
2016年夏に中国で公開され興収5億元(約90億円)を超える大ヒットを記録した2Dアニメーション映画。
日本ではNetflixで配信が開始されています。
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作品紹介
中国語タイトル『大魚・海棠(Big fish&Begonia)』
2016年7月に中国で公開された2Dアニメーション映画。
5億元を超えるヒットを記録。
ハンガリーのアニメ映画際で長編作品賞を受賞。海外の辛口批評サイトRotten Tomatoesでも高評価を得ており、世界的評価を受けています。
音楽は日本の吉田潔が担当。
あらすじ
植物を成長させたり、火を出したり出来る人々が住む別世界。少女チュンは成年式で自然の法則を観察するため7日間人間界へと旅立つ。その間は人間と接触してはいけないという掟があり、人間界では赤いイルカの姿で生活しなければならなかった。
人間界から去らなければならない日、チュンは嵐に巻き込まれ網に引っ掛かり身動きが取れなくなってしまう。
とある青年がチュンを助けるも彼は嵐に呑まれ帰らぬ人となってしまう。
元の世界に戻ったチュンは青年を生き返らせようとする。しかし、それは自分の世界に大きな災いをもたらすことになるのだった。
結構凄いぞ中国アニメ
中国アニメーションと言えばどういったものを創造するでしょうか。
と言っても、日本にはほとんど入ってこないので想像しようがないのが現状です。
ここ数年で中国は日本のアニメに出資していたり、オリジナルアニメの製作に力を入れている様子。政府が自国コンテンツ拡充を掲げたらしく、日本のアニメイベントでも中国企業の出展が目立っているようです。
「世界は日本のアニメ市場をどう捉えている?」Netflixや中国、サウジに日本進出を問う - KAI-YOU.net
アニメはまだまだ日本優勢と思っていましたが、この作品を見てから考えが一変しました。
日本のジブリやアメリカアニメから影響を受けたような印象が確かにあるものの、中国らしい色彩感覚や背景美術、物語の神秘性など新鮮さに溢れる内容になっています。
アニメーションの動きも軽やか。ぎこちなさもほとんどなく、自然に動き感情表現も見事にこなしアニメーションも中々良くできていました。
時々心を鷲掴みにされるようなシーンもあり、その質の虜になったのも事実。
しかし演出に関しては日本と異なる点も多く違和感を感じることもありました。国によって演出方法が異なるのでこれは仕方がないのかもしれません。
作画は良いのですが、CGが極端にリアルに描かれている場面もあり手描きアニメーションとマッチしてない場面も見受けられたのです。
特に海の描写がリアルすぎるように感じました…。
ですが、全体的に質の高いアニメーションを見せてくれるので一件の価値はあります。
ただ日本やアメリカなどのアニメーションに強い影響を受けている印象があります。
中国にしかできないと思わせるアニメーションを見せるにはもう少し時間がかかるのかもしれません。
中国アニメが完成された時、日本アニメにとっては大きな脅威になりそうです。
この作品で既に日本アニメもうかうかしてられないと印象付けるには十分な出来ですしね。
ストーリーは神秘的
物語は自分を助けてくれた人間の青年を生き返らせるために奮闘する少女を描いています。
青年を生き返らせるために自分の寿命の半分を差し出し、イルカの姿になった青年を大きくなるまで育て人間界に返す必要があるのです。
中国の様々な神話や伝承が下敷きになっているようで、中国らしさに溢れた独創的な世界観を完成させています。
人は死ぬと魂が魚になる。輪廻転生の物語であり、中国の死生観はやっぱり日本と似ているのだなと感じました。
主人公チュンの青年を生き返らせたいという一途な思いが彼女の住む世界に悲劇を与えてしまう。大きな犠牲を払うことになっても思いを遂げようとする彼女の姿は自分勝手すぎないかと思いつつも、どこか共感してしまう部分もある。
やはり日本の思想と似ているのではないのかと考えさせられてしまいます。
中国アニメーションへの見方を変える一作
この作品は中国アニメーションへの見方を大きく変える作品でした。
粗悪という印象は終わり、世界で戦うには十分な力をつけたことを知らしめてきました。
結構凄い作品です。
中国アニメの力が見れるので一見の価値ありです。
『ペンギン・ハイウェイ』ネタバレ感想 最高の!おねショタ映画!
蒼井優、竹中直人、西島秀俊など豪華俳優陣が声優に起用されたことで話題のアニメ映画『ペンギン・ハイウェイ』を鑑賞。
これが最高のおねショタ映画でした!
最高!
お姉さんと少年の物語!
まさにおねショタ!やってくれたぜ!
そしておっぱい!
おっぱい!!!!
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作品紹介
森見登美彦原作『ペンギン・ハイウェイ』をアニメ映画化。
アニメーション制作は『台風のノルダ』などで知られる『スタジオコロリド』。本作が長編初挑戦となります。
監督は石田祐康。
カナダ・モントリオールの第22回ファンタジア国際映画祭で最優秀アニメーション賞を受賞。
主人公アオヤマ君役に北香那、お姉さん役に蒼井優、アオヤマ君のお父さん役に西島秀俊、クラスメイトのハマモトさん役に潘めぐみ、ハマモトさんのお父さん役に竹中直人が起用されています。
あらすじ
小学生のアオヤマ君は研究が大好き。ある日、街に突然ペンギンたちが現れる不可思議な事件が発生した。
アオヤマ君は友人のウチダ君と共にペンギンたちがなぜ現れたのか調査を開始する。
ある日、顔なじみの歯医者のお姉さんがペンギンを出現させているのを目撃してしまう。
お姉さんとペンギンに何か関係があるのだろうか?
そして街の森の奥に現れた謎の球体は何なのか?少年の小さな冒険と研究が始める。
感想(ネタバレあり)
ひと夏の思い出に残る作品
真面目に書きます。
夏休み。宿題や遊び、帰省など様々なイベントが目白押しの季節。やってくると楽しい。過ぎ去ると悲しい。それが夏休みです。
『ペンギン・ハイウェイ』はそんな夏休みに送る少年たちの冒険と好奇心を描いた作品。
これは少年とお姉さんの交流を描いているのでおねショタ作品に見えるかもしれません。
アオヤマ君もお姉さんのおっぱいの事を考えている場面が何度か出てくるので、おねショタの雰囲気が抜群に漂っています。
このおねショタ感もある意味売りの一つなのでしょうが、本作の魅力はそれだけではありません。
少し不思議で、答えが明確に出てこないのが最大の魅力なのです。
お姉さんとペンギン、そして森の奥にある謎の球体(アオヤマ君たちは海と呼んでいます)。それらの関係が徐々に明らかになるのですが、最後の最後まで明確な答えは提示されません。
お姉さんとペンギンの関係、海の正体など肝心な点がぼかされているんですよね。
最後まで不思議なものを不思議のままに放置しているのが本作の最大の魅力なのではないのかなと考えます。
主人公アオヤマ君は好奇心旺盛で様々な事を研究している科学者肌の少年。
アオヤマ君は街のことやペンギン出現事件など様々な事を研究し、ついにはお姉さんとペンギンの関係についても一つの仮説を打ち出してしまう。
明確な答えを提示しないのは観客である少年少女にアオヤマ君を追体験させるためなのではないのでしょうか。
ひと夏が終わろうとしているころ、不思議な映画に出会い、それは不思議なまま終わった。
だからこそ、劇中のアオヤマ君みたいに自分もこの映画の謎を研究してやろう。そう思わせるためなのではないのでしょうか。
アニメーションの力が凄まじい。ペンギンは愛嬌たっぷりに、人間キャラクターも動作が細かく実写以上の表現がなされていて現実以上の現実感を与えてくれます。
それだけでひと夏の思い出残ることは間違いないでしょう。
そこに不思議が重なるのですから、心に残って消えることは中々難しいと思います。
やはり不思議なことにを不思議のまま放置せず、君たちで研究して解いてほしいというメッセージが込められているように感じてしまうのです。
本当に不思議な映画です。明確な答えがないのに爽やかに終わってしまう作品。それだけで十分凄いのに子どもたちの心に残る仕掛けを残しているのだから本当に驚愕の連続です。
夏休みにピッタリの作品でしょう。これが夏のSF(少し不思議)アドベンチャー映画。
魅力しかありません。
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キャスティングが絶妙!
もう一つ語りたいのがキャスティングのうまさです。
アオヤマ君演じる北香那の演技は本当に少年にしか聞こえず、それもどこか大人びた賢い少年を見事に演じ切っていました。エンドロールを見るまで芸能人声優だというのを忘れていたほどです。
そして、蒼井優が凄まじかった。
お姉さんの不思議でちょっといじわるな感じを巧みな演技力で表現しており、お姉さんの色っぽさをとてつもなく強めていました。
そりゃアオヤマ君も意識しちゃうよね、と納得の演技力。こんなお姉さんと会話をしてみたい!と思ってしまうほど、壮絶に命を吹き込んでいるのです。
西島秀俊も素晴らしい演技でした。
アオヤマ君を導く提言を行う重要な役どころを演じています。
穏やかながら知的な雰囲気を醸し出しており、まさに父と言った雰囲気が出ていました。
竹中直人も感情表現が見事です。
本作は芸能人起用の成功例と言っていいのではないのでしょうか。
全員プロの声優と見劣りしません。
エンドロールを見るまでこれが芸能人なのか?と不思議に思うほどでした。
芸能人声優でもここまで完璧で作品を壊すことない演技が出来るんだ!と驚嘆させられました。
必見の不思議さ
まさに必見の作品です。
芸能人声優が不可思議なほどに上手く、物語の不思議だらけ。
ひと夏の思い出に残ること間違いなし。この不思議をぜひ体験してほしいです。
『カメラを止めるな!』ネタバレ感想 衝撃!完全にやられた!見事な構成に拍手!
たった300万円で製作された『カメラを止めるな!』
口コミが広がり東京都内の2館だけで上映される予定がいつの間にか全国に感染が拡大したゾンビ映画です。
ようやく鑑賞できたのですがやはり評判通り良かった!こうくるのか!と完全にやられてしまいました。
まだ『カメラを止めるな!』を鑑賞していない人はすぐにブラウザを閉じてください。
この作品は事前情報なしに鑑賞するのが良いです!
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作品情報
俳優や監督を養成する専門学校「ENBUゼミナール」ワークショップの「シネマプロジェクト」第7弾として製作された作品。
監督は上田慎一郎。
「37分ぶっ続けワンカットでゾンビ映画を撮影する」人々を描いています。
ゆうばり国政映画祭で観客賞を受賞し、カナダ、ブラジルなど海外の映画祭でも高い評価を得ており、日本では東京都内の2館でのみ上映される予定が話題が話題を呼び全国に感染が拡大中。
名古屋や大阪、福岡や札幌、沖縄にまで波及しています。
全国の上映館は公式サイトを参照ください。劇場により公開日が異なっているので注意が必要です。
あらすじ
ある人々は山奥の廃墟で37分ワンカットのゾンビ映画を撮影していた。
クライマックスシーンの撮影で監督が激怒してしまい、一旦撮影が中断されてしまう。
休憩中に、廃墟に関する都市伝説が語られた。
ここでは旧日本軍が死者を復活させる実験を行っていたという。
都市伝説に震えあがる若者たち。恐怖に震えながら撮影の準備を続けていると、本物のゾンビが現れた。
携帯も圏外で助けを呼ぶことが出来ない。果たして彼らは生き残ることが出来るのか?
感想(ネタバレあり)
完全にやられてしまった…
37分ワンカットで撮影されたゾンビ映画。96分あるにも関わらず口コミ(SNS等)では37分ワンカットのシーンばかり語られています。
これほど話題になっているのだからそのワンカットがとんでもなく凄いものなのだろうと考えていました。
しかし、期待は裏切られます。
37分ワンカットのゾンビシーンは本当にチープです。ゾンビはただの顔色の悪い人にしか見えず、低予算ゆえのダメな作品にしか見えません。
「これが本当に話題作なの?なぜ?」という疑問が頭の中に浮かんでしまうほどでした。
所々に変な場面があり、出演者の演技もおかしい。何がしたいのかイマイチ分からない言動が目立ち違和感が募っていきます。
ですが、期待がまたしても裏切られてしまうのです。
真実が分かった瞬間に「クソ!なんてことだ!やられてしまった!」と膝から崩れ落ちるほどの衝撃が走りました。
随所にちりばめられた違和感すらも第二部に続く伏線。なんてこった、こんなうまい伏線回収方法があったのか!と愕然とするほどでした。
「だから皆ワンカットのチープゾンビシーンしか語らないのか!」と納得させられてしまい、負の感想を抱いたことに対して謝りたいほどでした。
これほどまでに斬新かつ、徹底された序破急があるのか!とワンカットを終えた瞬間から驚嘆しっぱなし。
まさにやられた!と言うしかない構造なのです!
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計算された序破急構造
この作品はドがつくほどの三幕構成。
日本的には序破急
という言葉がありますが、本作はそれにぴったりと当てはまる作品なのです。
まず序がワンカットのゾンビシーンです。
序は観客を惹きこむ要素が必要とされているようですが、本作の序は違和感だらけ。チープさという普通ならば使わない悪手にも思わる手法で観客の引っかかりを覚えさせるんですよね。
その引っかかりを抱えたまま破に移行するのです。
破では一か月前に話が戻り、ワンカットのゾンビシーンが実は作り物と判明します。本物のゾンビなんて存在せず、全てはテレビ局の仕掛けた開局記念番組だったとネタバラシ。第二部の開始です。
序部分とは大幅に異なった雰囲気のドラマが展開されます。まるで別作品に思えるほど、空気ががらりと一変します。
破の部分ではどのようにしてゾンビ映画が撮影されるに至ったかを描いており、ここで緩やかに作品が盛り上がってきます。
ゾンビ映画はゾンビ専門テレビ局の開局記念番組であり、全てワンカットかつ生中継というとんでもない企画だと判明。これがゾンビシーンで起きた様々なイベントに繋がることになるのです。
しかし、ここでもまだ退屈に思える要素が続きます。またしても引っかかりを覚えさせるんですよね。
撮影前の顔合わせで出演者が一癖も二癖もある人物ばかりだと言うことが判明し、この癖がゾンビシーンに散りばめられた違和感へと繋がるのです。
引っかかりがさらに増えたまま、急へ移行します。
急では撮影本番が描かれます。撮影が如何に困難だったのかをドタバタ感満載で描いており、序盤の空気とは本当に異なったコメディ感満載の楽しくて笑える内容になっています。
非常にテンポが良く矢継ぎ早にゾンビシーンの違和感の正体が次々と発覚していくのでその快感は凄まじいものです。
あのシーンではああいうことがあったのか!だからこうなってしまったのか!と笑いながらとんでもなく納得させられてしまう。
これほど巧みに伏線を次々に回収していく様はまるでミステリーの犯人とトリックが分かったときのような快楽が襲ってくるほどなんですよね。
チープなワンカットで見せる序、真実が分かるもまだ違和感を与えてくる破、全ての真実が発覚し怒涛の笑いが押し寄せてくる急。
計算されつくした序破急構成。映画のお手本とも言うべき見事さ。やられた!と思ったらまたやられてしまう。驚愕で観客に襲い掛かる作品なのです。
そりゃ話題にもなるよねと納得するしかない、というより納得させられるというべきでしょうか。
本当に上手いんですよね。低予算のインディーズでここまで完璧な構成を見せちゃうのか、と参りました。
凄い!でも…?
本作は超低予算で作られたインディーズ作品ですが、一般の商業映画にも劣らないキャストやスタッフの凄まじい情熱を見せてくれます。
構成も非常に上手く、驚愕の連続なのですが中盤のテンポが少し緩慢だったかな?と感じました。
しかし、それを差し置いても後半の襲い掛かる笑いの波に抗うことは出来ません。劇場が笑いに包まれ、楽しい気持ちで帰らせてくれます。
超低予算でもここまで出来るのか、と驚嘆させられ映画の可能性を感じました。
巧妙なほどに散りばめられた伏線、そして回収。快楽が突き抜けた作品。まさに必見なのです!
【ネタバレ感想】Netflix『エクスティンクション地球奪還』驚愕のラストが待っている
Netflixオリジナル映画『エクスティンクション地球奪還』を鑑賞。
平凡なSF映画化と思いきや中々に深く考えさせられてしまい内容で驚きました。
批評家には酷評されているようですが、個人的には凄く良かった!
古風なハードSFぽさがあって見ごたえ抜群です!
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作品紹介・あらすじ
悪夢にうなされる男。エイリアンが地球に侵略する夢に悩まされ家族や職場からも心配されていた。ある日、夢で見たのと同じ光景が現実のものになってしまう。エイリアンの地球侵略が始まった。
主演は『アントマン』などに出演するマイケル・ペーニャ。
Netflixで配信中。
感想(ネタバレあり)
家庭を持つ男が悪夢にうなされ家族や職場に心配されるという出だしから始まります。
淡々とした演出で非常に時間の経過が緩やかに感じられ、正直序盤は退屈に感じました。テンポもそれほど良いとは言えず、もう少し締まりのある演出が出来たように思えます。
ですが、中盤からは大いに盛り上がりを見せてくれます。
エイリアンが地球に侵略してくる悪夢は実は予知夢のような物であり、本当に侵略が始まってからは一大スペクタクルに。
激しい戦闘シーンと緊迫感に満ちた脚本で思わず息を呑んでしまいます。
しかし、低予算の弊害かCGがCGっぽく見える場面も多くここが非常に残念な点でした。
エイリアンの攻撃から逃げる主人公一家。
そして一体のエイリアンと取っ組み合った挙句捕虜にすることに成功。彼らの素顔は自分たちと瓜二つだった…。
エイリアンは非常にやわな存在です。取っ組み合いで武器を奪われたりとかなり馬鹿な一面を見せていますが、真実が分かった瞬間これらの稚拙さには意味があったのだと愕然としてしまうでしょう。
地球に住む者と瓜二つの外見をしたエイリアン。彼らがなぜ地球にやってきたのか。
『エクスティンクション地球奪還』というタイトルが恐ろしいほどにそのままの意味だと分かった瞬間に、これは現実世界でも起こるかもしれない事象なんだと感じました。
ただのエンタメ映画ではありません。批評家から酷評される理由も分かりますが、これは地球の未来を描いているのです。あまりにも恐ろしく現実的な作風。
なぜエイリアンは馬鹿に見えるのか、そしてなぜ戦うことになったのか。
今後訪れるであろう地球の未来を直視させ、まるで追体験させるかのような恐怖のリアリズムを持っています。
鑑賞後は人類の進歩について考えさせられる事でしょう。
【2018年版】面白さ保証!おすすめのアメコミ映画20作品!
世界の映画シーンを賑わせる今最も熱いジャンル"アメコミ映画"
日本でも熱狂的なファンが多く盛り上がりを見せています。
今回はアメコミ映画のおすすめ作品を紹介していきます。
アメコミ映画って数が多すぎ、どれから見たらいいかわからない、つまらないんじゃない?という人に向けて自信を持っておすすめしたい作品を厳選しました!
ざっくりとしたあらすじと共に紹介しています!ランキング形式ではありませんのでご注意を!
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2018年版おすすめアメコミ映画一覧
ブレイド
ウェズリースナイプス主演のヴァンパイアアクション。剣を使ったスタイリッシュなアクションとホラー的な恐怖感、そして東洋的なオリエンタル要素が合わさり独特の雰囲気を醸し出しています。
華麗に敵を切り裂いていくアクションが素晴らしい!
スナイプスがノリノリでブレイドを演じており歌舞伎的な見得を切るシーンもありますが、全く鼻につくことがありません。
ハマること間違いなしの作品です!
コンスタンティン
互いの世界を犯さない事で成り立っていた均衡が崩れ始めようとしていた。
キリスト教的な要素が強く、日本人にはとっつきにくそうと思うかもしれませんが純粋な悪魔祓いVS悪魔の戦いとして非常に良くできた作品です。
映像と演出が巧みで恐怖感を見事に煽ってくれるので鑑賞中は鳥肌になることもあるほどです。
キャラクターの配役がとてつもなくピッタリとはまっているので、荒唐無稽な大天使ガブリエルや大悪魔サタンの存在を納得出てきてしまいます。
キアヌ・リーブスが我が道を行くクールさが剥き出して本当にカッコイイ。配役が素晴らしい作品なんです。
アベンジャーズ
地球外生命体チタウリと手を組んだロキに対抗するためシールドの長官ニック・フューリーは最強のチーム"アベンジャーズ"結成を決意する。
アメコミヒーローが勢ぞろいするクロスオーバー作品。
地球外からやってくる強敵に対抗するためチームが結成されるというシンプルな筋書きながらも、一筋縄ではいかない脚本が展開されます。ヒーローが一つになるには様々な困難を乗り越える必要があり、それを乗り越えてチームが結成された瞬間の高揚感は筆舌に尽くしがたいものがあります。
ヒーローが一堂に集結する場面はあまりのかっこよさに失神寸前まで追い込まれました。
スーパーヒーローは実在する!そう思わせてくれる驚異の作品です。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
アベンジャーズのタイトルを冠していますが、実質的に悪役(ヴィラン)サノスの映画です。
サノスの心理を丁寧に描いており、とてつもない野望を企てているにも拘わらずなぜか憎めない存在になっています。
各ヒーローの描き方も非常に上手く、登場時間以上の強烈なインパクトを残してくれます。
ヒーロー映画ながら悪役に主軸を置いたアメコミ映画随一の問題作と言っても過言ではありません。
しかし、脚本とテンポが素晴らしく期待以上の物を見せてくれます。本当に狂気すら感じさせる作品です。
X-MEN/ファースト・ジェネレーション
X-MENがどのようにして結成されたのかを描いた作品。
1960年代と言う米ソ冷戦が激しさを増す時代に置いてのミュータントを描いており、当時の世相や社会情勢を反映した巧みな脚本が物語の持つ真実味を強めています。
ジャスティス・リーグ
DCコミック初となるクロスオーバー作品。
これまで暗く陰鬱な雰囲気を漂わせていたDCユニバース映画にしては比較的明るい作劇になっています。
各キャラクターの魅力が存分に描かれていて、特にフラッシュは等身大の青年として描かれているので親近感がわくと思います。
分かりやすくも勢いがあり中々楽しめてしまう作品です。
マイティ・ソー/バトルロイヤル
シリアスでダークな雰囲気だったソーシリーズがコメディチックな冒険活劇風味の作劇に。
マーベル映画の中でも狂ったほどにぶっ飛んでおり、映像の強烈な色彩も見る者を惑わせてきます。
これまでファンタジーを感じさせいていたのが一変しSFを強く感じさせる内容にシフトしたせいか、スターウォーズ的な魅力を孕んだSFとして抜群の色気を醸し出しています。
馬鹿になって楽しめる、そんな作品なんです。
LOGAN/ローガン
ある日、謎の少女ローラを送り届けてほしいと頼まれる。ローラはなんとローガンと同じ力を持っていた。
ウルヴァリン単体作品最終作。壮絶なラストを迎えます。
西部劇のような乾ききったシリアスな内容になっています。ローガンとローラ、そしてプロフェッサーXによるロードムービーのような匂いすら漂わせ、親子や家族愛すら感じさせる作劇がアメコミ映画の枠を超えたヒューマンドラマを見せつけてくれます。
スーパーヒーローだったのは過去の事。この作品は今を必死に生きようとする人々を描いているのです。
アントマン
窃盗犯が主人公の奇抜な設定でお送りするミニミニ大冒険アントマン。
主人公は終始明るく犯罪者としての負い目も一切なく父親として娘を守ろうとする勇敢な等身大のパパとして描かれています。
しかしダメパパなので感情移入できること間違いなし。
アリと共に戦う力を持つ奇天烈さもあり視覚的にも凄く楽しめてしまいます。
スパイダーマン ホームカミング
マーベルシネマティックユニバース初となるスパイダーマン単体作品。
スパイダーマン映画はこれまで幾度となく作られてきましたが、本作は高校生特集の無鉄砲さと自意識過剰さが存分に描かれていて、これまで以上に親近感の湧く存在になっています。
今まで何度も見たことがあるスパイダーマンなのに、かなり新鮮な雰囲気を感じる脚本と演出は本当に驚嘆させられます。
スパイダーマンはまだまだ描けることがある。愛と情熱が伝わってくる一作です。
スーパーマン
極悪人レックス・ルーサーは計画の障害となるスーパーマンを排除しようと画策していた。
1978年の作品で多少古臭さは感じるかもしれません。
しかし、現代まで続くアメコミ映画、いやヒーロー映画の礎となった作品。スーパーヒーローとは一体何なのかが既に描かれており。ヒーローを語る上では欠かせない作品なのです。
CGもない時代なので全て特撮で撮影されていますがその出来栄えもかなり良く、現代でも見劣りしないほどです。
是非見てほしいスーパーヒーロー映画の基本作。
マン・オブ・スティール
スーパーマン誕生の物語を現代的に置き換えた作品。
CGがふんだんに使われており、バトルシーンはドラゴンボールのようなど派手なものになっています。
スーパーマンが自分の使命とは何なのかと深く自問する脚本が、これまでのスーパーマンにはない人間臭さを描いています。
ワンダーウーマン
首謀者のルーデンドルフ総督が戦いの神アレスだと確信したダイアナは戦争を終わらせるために外の世界へと踏み出す。
DCコミック作品ですがマーベル映画でも未だ描かれていない単体での女性ヒーロー映画です。
外の世界を何も知らないダイアナ。無知な彼女が徐々に世界を知っていく過程は第一次世界大戦の凄惨さを知らない我々と重なります。
ガル・ガドットの演技も絶品で期待や不安といった感情を巧みに演じ分けており、気づけば彼女の虜になっていることでしょう。
デッドプール
X-MENシリーズ初のR指定作品。X-MENシリーズですが過去作とはほぼつながりがないのでこれ単体で楽しむことが出来ます。
随所に小ネタが挟まれており元ネタをしっているとかなり笑えます。もちろん知らなくてもとてつもなく楽しめてしまうコメディ映画なので、アメコミ映画初心者が最もとっつきやすい作品だと思います。
しかし結構グロテスクな場面のあるので注意が必要です。
ブラックパンサー
アメコミ映画史上初、ほぼ全てのキャストが黒人で占められた歴史的な作品です。
これまでブレイドなど黒人ヒーローは存在しましたが黒人国家を舞台に監督も主要俳優も全て黒人というのは本作が初めてです。
民族の誇り、人種問題や国家までを描いたヒーロー映画の枠にとどまらない社会派な作品。
映画の歴史を大きく変革することになった重要な作品なのです。
ドクター・ストレンジ
天才外科医が魔法使いに転身する物語。
魔法使いになるための修行シーンが日本のスポ根漫画的なので懐かしい感覚に襲われます。
これまでのヒーロー映画には存在しない魔法陣や万華鏡のような世界が描かれ視覚効果がかなり楽しいのです。
出会いが運命を変えていくということを伝えてきている作品。
アイアンマン
彼らは兵器を製造しろと命令。トニーは兵器を作るふりをして敵地から逃れるためのパワードスーツを開発していた。
アイアンマン第一作でマーベルシネマティックユニバースの全てが始まった重要な作品。
天才でモテ男という漫画のような(もともと漫画なのですが)設定のキャラをロバートダウニーJr.が見事に演じ切っています。
武装勢力に拘束されてから自身がどれほど多くの人々を苦しめてきたのか、そして戦争とは一体何なのか。そういった反戦的なメッセージが強く込められています。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
小悪党が紆余曲折を経て銀河を救わざるを得ない状況に追い込まれてしまう分かりやすい王道ストーリーが魅力です。
キャラクターもSFらしく様々な造形が飛び出してくるので目と耳が非常に喜んでしまいます。
1980年代の音楽が流れてくる懐かしさと選曲のセンスの良さでこれまた耳が喜んでしまう。
映画とは目で見て耳で聞くだけではなく記憶を刺激する物なんだと実感させられてしまいます。
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
マーベルシネマティックユニバース内でもトップクラスのシリアス度と緊迫感を持ったサスペンス・アクション。
現代社会におけるテロとの戦いや組織への不信感などが盛り込まれているおかげでスーパーヒーロー映画ながらも政治的な要素を強めています。
キャプテンアメリカの信念、自由への思いが強く表れており真のヒーローとは何なのかと一石を投じる作品でもあります。
ダークナイト
シリアスで重厚な脚本。神経を蝕みそうな緊迫感溢れる演出と音楽。全てが完璧と呼んで差し支えのない傑作。
もはやアメコミ映画の枠を飛び出し、サスペンス映画としてトップクラスの出来栄えです。
ヒーロー映画なのにヒーローは本当に必要なのか?と存在意義を問いかけるなど、かなり暗くて時に陰鬱とした空気すら感じさせるほどです。
しかし、この重苦しさこそが傑作を傑作に仕上げている要因なのです。必見の作品。