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『週刊少年ハチ』感想 現実を突きつけまくる成長物語!青春漫画道の新たな傑作!

週刊少年ハチ 2 (少年チャンピオン・コミックス)

気になっていた漫画『週刊少年ハチ』の単行本第一巻が発売されました。『週刊少年』とありますが週刊誌ではなく『週刊少年チャンピオン』に掲載されている作品です。

作者はアニメ化もされた『実は私は』の増田英二先生。じつわたのアニメが面白かったので増田先生の作品が気になっていたので早速読んでみたところやっぱり面白かった!

 

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作品紹介・あらすじ

主人公に憧れる『八坂八起(通称八)』は漫画家を目指し鬼ヶ浜まんが学園へと入学する。そこは完全競争主義。漫画も下手なハチは学内で商業誌掲載経験を持つ『三ヶ矢桃真(通称三毛)』の実力に圧倒されてしまうも己の実力を磨き始める。

 

成長物語でありながら現実的な問題を見せてくる

『週刊少年ハチ』は漫画家を目指す少年少女を描いた青春まんが道。漫画家を目指す作品はこれまでいくつもありましたが本作はちょっと奇抜な設定です。

 

 漫画家になるために専門学校へ通うことになった主人公「ハチ」の成長と青春を描いているのですが、この専門学校と言う設定が強烈です。

変な格好をした講師や実力がなければ即退学と言い始める完全実力主義の講師…。様々に強烈な個性を持った講師陣が登場し、ハチもそれに振り回されていきます。

生徒もパンダの着ぐるみを着ているなど変な個性を持ったキャラも多い。キャラの多様な個性が本作の魅力を引き立てています。

 

二年間通うことになるのですが、その中からプロになれるのはほんの一握りと初っ端から漫画家の現実を読者に突き付けてきます。完全な実力主義なんですよね。

 

主人公が校内のランク戦で既に商業誌掲載経験を持つライバルに圧倒的な力の差を見せつけられたり、ハチの実力がどれほど低く彼がどれだけ夢を見ているのかと言うのを細かく描いています。彼の夢を打ち砕く様な見ていて胸が締め付けられるほど。

夢や希望が一切ない。キャラは個性的に描きつつも他はリアリティを追い求めているんですよね。それがかなり辛くもありますが、作品を面白くしている要素でもあるんです。

 

ランク戦で下位になった人たちだけを集め、実力がなければ即退学と言う厳しいクラスが編成されるというのもかなり強烈です。これは人気漫画家とそうでない人たちを対比させたものなのかなと感じるほど。

 

『週刊少年ハチ』は漫画家を目指す少年の成長物語でありながら実際の漫画家の苦悩らしきものが垣間見えてきます。漫画家とはどれほど辛い職業なのかということを伝えているように思えてとても面白いんですよね。

 

物語の構成も良く先が読めなず裏切りの連続。キャラクターも『実は私は』のように個性も強くギャグのノリも軽妙でサクサクと読めてしまいます。

増田先生が得意とする青春の甘酸っぱさもふんだんに盛り込まれていて『実は私は』のようなラブコメ的楽しさもあります。

 

成長物語でありながら現実的な問題の数々を突き付けてきて漫画家の実態を伝えようとしています。今後も必見の作品です。

 


週刊少年ハチ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

週刊少年ハチ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

 

 

 

週刊少年ハチ 2 (少年チャンピオン・コミックス)

週刊少年ハチ 2 (少年チャンピオン・コミックス)