『メイズ・ランナー 最期の迷宮』ネタバレ感想 迷路にはまったのは観客のほうだよ…
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迷路を抜け出した第一作目。WCKDによってミンホが攫われた衝撃の第二作目。そして遂に三部作が完結。最期の迷宮で全て綺麗に片が付く。
確かに物語は完結しました。しかし、これで良かったのか…。しっくりとこないラスト。迷宮にはまったのは観客たちのほうなのではと感じるほど納得がいきません…。
作品紹介・あらすじ
テレサの裏切りによってミンホがWCKDにさらわれてしまう。ミンホ奪還を決意したトーマスたちは行動を開始し巨大な壁に囲まれた都市への侵入を試みる。
アメリカのヤング・アダルト小説の実写版。三部作の完結編。主演は引き続きディラン・オブライエン。
これで良かったのか?
世界中にフレア・ウイルスが蔓延。人類存亡の危機に瀕している状況です。トーマスたちはウイルスへの免疫を持っており、WCKDはそれを利用するために彼らを捕えようとしていました。
WCKDから逃げ続けるも仲間だったテレサの裏切りでミンホが攫われてしまう。ミンホ奪還のためにトーマスたちは動き出すところから始まった第三作目。
冒頭から疾走感あふれるアクションシーンが盛り込まれており、これまでとは少し変わった雰囲気を醸し出しています。
これまで以上にアクションは盛りだくさんでエンタメ作品としては凄く楽しめました。
142分と言う長さを感じさせない勢いを持っているのでテンポよく中だるみすることなく物語は軽快に進んでいきます。
しかし、これで良かったのか。そう思わざるを得ない締めくくりが待ち構えているのでした。
物語は完結しました。完結したのですが、どうにも納得がいかない。トーマスたちはこれで良かったのかと問いかけたいほど。
WCKD本部が存在する壁で囲まれた都市に潜入しミンホを奪還することに成功したトーマスたち。しかし、ニュートはウイルスに犯されていた。ウイルスから人類を守るためにはトーマスの血が必要ということが判明します。
WCKDが何度も実験してきたのにたどり着けなかった血清完成のカギはトーマス自身だったのです。
しかしトーマスたちの行動に便乗した反乱軍が壁内へ突入を開始。WCKD本部もろとも都市は崩壊してしまう。
テレサはトーマスの血で血清を完成させるもビルの崩落に巻き込まれて命を落としてしまう。
トーマスたちは都市から逃げ切り新たな安住の土地で仲間とともに生きていくと決意し物語は終了する。
本当にこれで良かったのか?人類を救えたはずのトーマスはミンホ奪還と都市からの脱出だけを考えています。
今までWCKDに凄惨な目にあわされ多くの犠牲者を出したのだから自分が利用されるを拒否するのは仕方がないことですが…。
しかし、うまく立ち回れば人類を救いWCKDをつぶすこともできたはず。それなのに人類の救済には目もくれない。そもそも最初からそのことを考えていない。自分たちが助かることだけを考えている。
どうにも納得がいかないのです。まだどこかで苦しんでいる人がいるかもしれないのにそれを無視して自分たちは安住の地で生き続ける道を選ぶ。
WCKDから受けた扱いを考えると安住の地で生き抜くことが賢い選択なのは理解できますが、トーマスたちの視野があまりにも狭すぎるように感じます。
トーマスの動きで人類は救えたはずなのに、救う道を放棄するのはいかがなものかと。
結局はミンホを奪還しただけで終わったように思え、事態は何一つ好転していません。何も片付いていないんですよね。
そんな終わり方で良かったのかと。トーマスよ、お前は人類を見捨てるのか?救えたはずだろう?と問いかけたくなるほどです。
一体どうすればよかったのか。トーマスたちは最初から人類救済と言う道を選んでいない。しかし観客からしてみると人類は救えた可能性を感じてしまうので歯がゆさだけが残ります。
何一つ解決していない終わり方。人類を放置したまま彼らは生きることを決意するなんて身勝手さすら感じてしまうほど。
どうすれば納得できる締めにできたのか。全く分かりません。
これで完結だと言うことを受け入れることが出来ません…。
まさに迷路にはまったというしかない感覚に襲われています。出口が見えないのです。
私たちは最後の最後で迷路に陥れられたのだと感じてしまいます。メイズランナーとは観客を指すメタ的な意味合いがあったのかと思ってしまうほど。
どうすればこの迷路から抜け出せるのか…。
本当にオチ以外は疾走感があり面白かったのになぜ、という感覚が付きまとっています。
マジでどうすればよかったんだこれ…。迷路から抜け出させてください…。