『来る』ネタバレ感想 なんだこれは!?日本版『哭声/コクソン』現る!!??
澤村伊智の小説デビュー作『ぼぎわんが、来る』が実写映画化。岡田准一、妻夫木聡、黒木華などの豪華キャストでも話題のホラー映画。
一言で言うと「なんだこれは?」
なんなんだこれは?
筆舌に尽くしがたい困惑。鑑賞後、この困惑を誰かと共有したくなる衝動に駆られる。
なんだこれ!??
今年最大級の困惑が来る!!!
来る!!!
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作品紹介・あらすじ
澤村伊智のデビュー小説であり第22回日本ホラー小説大賞を受賞した『ぼぎわんが、来る』を『嫌われ松子の一生』、『告白』で知られる中島哲也監督が実写映画化。
新婚の田原秀樹は謎の存在につけ狙われてしまう。家族に次々と怪異が襲、やがて後輩社員や娘も巻き込まれてしまう。
怯える秀樹は親友の津田を通しフリーライター野崎から霊媒師真琴を紹介してもらう。しかし、彼女の力では太刀打ちできず、日本全国から超強力な霊媒師が集結する。
主演は岡田准一。妻夫木聡、黒木華、松たか子、小松菜奈、青木崇高らが共演。
すっごい困惑するが面白い!
新婚の田原夫妻に次々と怪異が襲う。
田原秀樹の故郷、三重県には言い伝えがあった。妖怪『ぼぎわん』が存在し、人々を連れ去ってしまうという。秀樹が幼少の頃、忽然と姿を消した少女がいた…。
ぼぎわんは大人になった田原秀樹をつけ狙い、終には後輩や娘にすら毒牙を向けてしまう…。
そんなシンプルな内容なのです。襲い掛かる姿の見えないバケモノ”ぼぎわん”を祓うまでを描いたシンプルな作品。
しかし、これが非常に困惑する作品でした。
なぜなら「説明らしい説明がない」からです。
序盤から勢いで押しまくる。説明は随所に挟まれるものの核心部分はぼやかしたままで進む。得体のしれない存在が説明のないまま迫ってくる様は確かに恐怖そのものでした。
劇中の人物たちの心理を追体験させるかのような演出は見事だと思いましたね。
しかしながら、やっぱり複雑怪奇。
怪異が襲う、襲いまくる。そして遂に霊媒師まで出てくる。ホラー映画の定石ですが、ぼぎわんが強すぎる。
並の霊媒師が戦えばかえって刺激してしまう結果に。強力な霊媒師でも太刀打ちできず片腕を失ってしまう…。
なんなんだこいつは?
目に見えないバケモノが霊媒師にすら勝利してしまう前代未聞の展開。
強い、これほど強いバケモノが存在したのか…。一体どうすれば平穏が訪れるんだ!?と恐怖に震える。
ぼぎわんによる攻撃は目に見えないものの、攻撃を受けた人は血祭りに挙げられてしまう…。スプラッター描写も豊富で、苦手な人は目を背けたくなるでしょう。
妖怪や幽霊に襲われると心停止などで死の描写は比較的綺麗になっることが多かったですが、ぼぎわんは違います。喰うのです。乱杭歯で噛みつくのです。
物理攻撃可能。精神攻撃も可能。そんなオールマイティなバケモノ。妖怪や幽霊ではない!もはや怪獣だ!と思えるような強大さに立ち向かう松たか子。
松たか子演じる霊媒師『琴子』がぼぎわんを祓うために参戦する。
国内屈指の力を持つ彼女ですらぼぎわんの強大さには圧倒される。
そして全国からぼぎわんを祓うために霊媒師が集結してしまう…。
今ここに除霊バトルが幕を開ける!!!
…なんだこれは!!???!???
困惑が止まらない。困惑から解放させて!と思う暇もなく突っ走る!!!!
全国から集う霊媒師。しかし、ぼぎわんが彼らの行く手を阻む。目的の場所へたどり着く前に命を落とす者が現れる。強大な力に恐怖した霊媒師たちが一人でも多く生き残るために個別行動を始める…。
姿は全く見えない。それなのに恐ろしいほど強大な存在だと言うことがひしひしと伝わってくる。
霊媒師を介すことでぼぎわんの最強っぷりを巧みに演出してしまうのです…。
これは参りましたね。こんな方法があったのかと…。強烈な印象が植え付けられました。
そして除霊バトルが開始。
あまりにも強すぎるぼぎわんは除霊会場を破壊しつくしてしまう。それほどころか周囲の道路や街灯にまで影響を与えてしまう。
強い、強すぎる。こんな敵とどう戦えばいいんだ!?
っと思っているとこの除霊バトル、どこかで見たことがある…。そんな考えに行きつき、たどり着いたのが韓国映画の『哭声/コクソン』ですよ。
國村準が強烈なインパクトを残したコクソンです。
何が何だかよくわからないまま物語が進んでいく点もコクソンにそっくりです。
除霊バトルもコクソンを意識したと思しきノリもありました。なぜか韓国の霊媒師も混ざっていたので「中島監督はコクソン見てるな」とニヤつかされましたね。
なんだかよくわからん。でも面白い。なんだこれは。
頭にはてなが浮かぶのに面白いと思わされるのもコクソンにそっくり。
まさに日本版コクソンです。勢いとインパクトで押し通してしまう点もまさにコクソン。
足りない点と言えば除霊バトルが意外にも静かだった点。もう少しアゲアゲで行ってくれても良かったんじゃないのかと思います。
でもこの作品はぼぎわんと共に恐ろしいのは生きた人間だということを示しています。
自分をイクメンだと思い込んでいるが実際には妻子を顧みない夫や子に罵詈雑言を浴びせる親などが出てくる。
恐ろしいものは人間だということ描いているので除霊バトルが盛り上がらないのは必然なのかと思います。
これ以上盛り上げてしまうと作品が持つ恐怖が崩れてしまうんでしょうね。
やはり相応しい演出ってものがあるんですよ。
しっかし、変な映画でした。面白いけどすこしとっ散らかっているかなという印象もありましたが、でも面白かったです。
終始なんだこれ!?が付きまといますが、面白かったです。
でもやっぱ、なんすかこれ?
あ、小松菜奈が可愛かったので100点満点中10000000点ぐらいです。