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『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション』ネタバレ感想 シリーズ全てを否定しぶっ壊しやがった…

2005年に放送された『交響詩篇エウレカセブン』を再構築した新映画シリーズ『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の第二章『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション』を鑑賞。

 

第一章はTVシリーズの主人公レントンを軸に物語を再構築し、ファースト・サマー・オブ・ラブの詳細が描かれエウレカセブンシリーズの謎に迫る物語を見せていました。

しかし、テレビシリーズを見ていなければ理解できない構成が目に余り、評価は真っ二つに分かれています。

 

そんな『ハイエボリューション』シリーズ第二章『ANEMONE』はどうだったのか?

なんとも凄まじい…、これまでの全てを否定しぶっ壊す。そして全てのエウレカファンが困惑する。そんなドエライ作品でした。

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作品紹介・あらすじ

2005年にから2006年にかけてTV放送された『交響詩篇エウレカセブン』を新たな解釈で再構築した映画シリーズ『エウレカセブン ハイエボリューション』の第二章。

 

今作ではシリーズ初の東京が舞台となりテレビシリーズでエウレカとレントンのライバル的なポジションだったアネモネが主人公に。

 

世界人工の数十億を死に至らしめた謎の存在「エウレカ」。東京に出現した七番目のエウレカ=エウレカセブンとの戦いを余儀なくされたアネモネを描く。

 

辻谷耕史氏の急逝に伴い、デューイ・ノヴァク役は藤原啓二氏が担当。

 

 

今までは何だったの…?

第一章はレントン・サーストンの物語。

レントンが一人の人間として何をすべきか、何を目指すべきかを描いていました。

しかし、頻繁に発生する時系列の巻き戻しなどで物語展開が難解なものになっており、テレビシリーズ未見の人には理解が程遠い仕上がりでした。

テレビ版の映像も盛り込まれており、しかも当時はハイビジョン作画ではなかったために4:3のスタンダードサイズが劇場のスクリーンに映写される始末。

手抜きとも思える再構築っぷりに困惑させられました。

 

そんな第一章はレントンが旅に出て終わる…。

レントンの物語が第二章でも続く、と思いきや本作はまさかのアネモネが主人公。

 

舞台は東京となりエヴァンゲリオン的なティーザーヴィジュアルが公開されてしまい、設定が上手く呑み込めませんでした。

 

そして肝心の本編も異様な内容。

東京に現れた七番目のエウレカ=エウレカセブンと人類の死闘が描かれ、アネモネはそれに対抗する唯一の存在だった、という内容。

エウレカセブン内へ精神をダイブさせることにより、エウレカ内部世界から破壊を試みる…。そんな奇抜な設定です。

 

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しかも第一章とは全く繋がっていない。レントンが旅に出てからの物語ではなく、第一章は存在しつつも繋がっていない…。そんな展開を見せつけてくるのですから頭ははてなでいっぱいになってしまいます。

 

エウレカ内部はテレビシリーズのような世界でLFOやスカブが飛び交う世界だったのです。

エウレカセブンの内部でアネモネは青緑の髪をした少女と出会う。少女は「レントン」と叫んでいた。

 

エウレカとの戦いで戦果を挙げていくアネモネは奇跡の少女として祭り上げられてゆく…。しかし彼女は青緑の髪の少女が叫ぶ「レントン」の意味が分からない。

 

何度もエウレカと戦い青緑の髪の少女すなわちエウレカと言葉を交わす機会を得たアネモネ。エウレカの口からレントンの意味が語られます。

レントンはエウレカの大切な人であり、彼は既に死んでいると発言。

東京にエウレカセブンが出現した理由もエウレカがレントンを生き返らせるためだったというのです。

 

そしてエウレカは何度も夢をみるとつぶやく。レントンを想うあまり夢を見続けているのです。

テレビシリーズも漫画版もAOも全てはエウレカが見ていた夢だということも語られるのです。

第一章ですら夢の世界…。そんな事実を突きつけられてはアネモネのように動揺するのも無理はないでしょう。

 

あれほど夢中になったテレビシリーズもエウレカの夢だったとは…。一体今までのシリーズはなんだったのか?

 

これまでの全てを否定しぶっ壊してしまったのです。

全ては存在したが夢の世界の物語。この事実をどう呑みこめばいいのでしょうか?

 

ちゃぶ台をひっくり返すような設定。まさに再構築。そんな世界に理解が追いつかない。

 

自分は何を見ているのか?

未だに整理が出来ません。

 

全ては夢。エウレカが見ている世界は夢。しかし、エウレカからみたアネモネのいる世界もまた夢のような物。

夢からの脱却を描いたのが第二章です。

夢なら何でもできる。だけどエウレカの場合は様々な世界に影響を及ぼしてしまう。だからこそ、彼女を夢から脱却させねばならない。

 

アネモネも父の幻想を追い続けている。エウレカセブンとの戦闘で行方知らずになった父の影を追い続けているのです。

アネモネも夢を見ている。だからこそアネモネはエウレカを夢から脱却させようと奮闘するのです。

 

夢の世界では理想をかなえられてもそれは現実にはならないから。現実になっても東京のように不幸なことが起きてしまう。

 

だから脱却せねばならない。夢は夢で断ち切らなければならない。

 

そんなメッセージを込めているんじゃないのかと思います。

 

ですがこれまでの全てが夢だったという事実はどうに受け止めきれないものがあります。

なんだったのか今までは…?